蝦夷とは

悪路王首像複製
『奥州市埋蔵文化財調査センター所蔵 悪路王首像複製』

 

「蝦夷」えみし、えぞ、と読む。

東北地方に日高見国といわれ、蝦夷と呼ばれる民がいたという。
唐の通典、宋書、山海経、日本書紀等、各種の書物に記載があり、5世紀ごろには数多くの集団が形成されていたらしい。

通典(766年)によると、

『蝦夷国は海島中の小国なり。
其の使鬚(ひげ)の長さ四尺、はなはだ弓矢を善くし、矢を首に挿し...』

毛人とも呼ばれるこの蝦夷、ヒゲも長く、目は二重の大きな眼とされて、
弓矢を使い、狩猟に長けた民族だったらしい。

また、日本書記・景光紀二十七年二月条には次のようにある。

『東の夷>(ひな)の中に、日高見国有り。
其の国の人、男女並に椎結け(かみをわ)身を文げて、
為人勇みこわし。
是を総べて蝦夷と日う。
亦土地沃壌えて曠し。
撃ちて取りつべし』

~訳~
東国の夷の国の中に日高見国がある。
その国の人は、男女とも髪を椎の形のように結い、
体に入れ墨をしていて、性格が勇敢である。
これらを全て蝦夷という。
また、土地が肥えていて広い。
攻撃してその土地を奪うとよい。

各種の本からのイメージからすると、広大な肥沃な土地で、狩猟、農耕で
暮らしていた蝦夷。
その豊かな土地で、のんびりと暮らしていた蝦夷たちは、大和朝廷により略奪と陵辱にあい、
大変な苦しみを味わってきた。
その大和朝廷に抵抗する蝦夷たち。
そういった背景から、総帥アテルイとモレを先頭に、蝦夷たちは立ち上がる。

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